広島湾☆うみうしくらぶからの活動報告一覧

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  • 【広島湾の水中散歩】14.サラサウミウシのお話

    こんにちは!うみうし大好きダイバーのみゆきママです。 今年もよろしくお願いします。 左目を手術した関係で、約2ヶ月ほど大人しく過ごしていましたが、年明けの初潜りから再び活動を開始しました。水温は13℃。カイロをお腹や背中、足先にぺたぺた貼って、首から下が濡れないドライスーツを着込んで潜ります。 久々の広島湾の水中散歩、なんと、いきなりレアなサラサウミウシに遭遇! 約3cmと大きめの個体でマルマルと太った姿に大興奮してしまいました。 サラサウミウシは、背中の模様がちょっぴり焦げた丸パンのような風貌から、「こげパン君」とダイバーたちに呼ばれています。。真冬に運がよければ観測できるという、レアなウミウシです。イロウミウシ科・アデヤカイロウミウシ属に属していて、コモンウミウシやシラヒメウミウシなど写真映えするウミウシたちが同じ属になります。 インド・西大平洋の広範囲で観察できますが、日本本州産のサラサウミウシは独立種の可能性があるとのことで《*》、もしそれがはっきりすればレア度がさらにアップですね! 《*》参考文献 「ネイチャーガイド 日本のウミウシ」第二版 中野理枝著 2019年 文一総合出版

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  • 【広島湾の水中散歩】13.ヒロウミウシのお話

    こんにちは!うみうし大好きダイバーのみゆきママです。 10月下旬に入り、広島湾の水温が少しずつ下がってきました。先日潜ったときには、ミニチュアサイズのアオウミウシを数匹発見! 餌をモグモグと食べている様子から、しっかり育っているようです。他の種類のウミウシも少しずつ観察され始め、ウミウシシーズンがそろそろ開幕?! 週末にウミウシたちに会えるのを楽しみに、仕事を頑張ってるところです。 この時期から、岩場を注意深く観察していると、ピンク色の点が貼り付いていることがあります。一見、ピンク色の花のようですが、「ヒロウミウシ」と呼ばれるウミウシです。ネコジタウミウシ科・イバラウミウシ属のウミウシで、数mmと小さくて丸いのが特徴です。ピンク色のコケムシを餌にしています。 イバラウミウシ属の属名の由来は、「トゲの多い」「針がある」という意で、その名の通り突起が並んでいます。突起は先端になるにつれて、白くなっていきます。一方で、触角と鰓(えら)は先端はピンク色のままなので、突起と区別がつきます。・・・とはいえ、なんせ数mmの個体。写真を拡大してようやく判別可能、といったところです。 これから寒い時期に突入しますが、冷たい海の中でヒロウミウシを見つけるとほっこりした気分になります。クリスマスにはヒロウミウシを輪っかに並べてリースを作りたい誘惑にかられますが、ダイバーは水中生物を勝手に移動させてはいけないので、もちろんそんなことはできません。。。

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  • 【広島湾の水中散歩】12.ミヤコウミウシのお話

    こんにちは!うみうし大好きダイバーのみゆきママです。 海水温は気温より1ヶ月遅れて変化するので、10月初旬の広島湾は24~25℃と水温はまだまだ高く、ウェットスーツで潜ることができます。一方で、この時期はウミウシの種類・個体数が少なく、1匹でも観察できればラッキー、まったく見つけることができず空振りの日もあります。 そんな中、先日「ミヤコウミウシがいっぱいの岩」を発見!単独でまったり移動中のミヤコ君、交接中(交尾中)のカップルたち、そして産みたての卵まで・・・見どころ満載。 これは、まさに・・・「ミヤコウミウシ・パラダイス~!!」 大興奮のひとときを過ごすことができました。 ミヤコウミウシは、クロシタナシウミウシ科・クロシタナシウミウシ属に属しています。「クロシタナシ」は漢字で「黒舌無し」と書き、硬い舌歯を持ちません。ミヤコウミウシも同様です。餌にしているカイメンの表面に消化酵素を分泌して、柔らかくしてから吸い込むように食べます《1》。 華やかに広がる二次鰓(にじえら)と独特な色合いが魅力的なミヤコウミウシ、大きさは10cmほどまで成長します。ウミウシとしては大きい部類に入り、初心者でも観察しやすいウミウシです。

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  • 【広島湾の水中散歩】11.シロウミウシのお話

    こんにちは!うみうし大好きダイバーのみゆきママです。 日本の代表的なウミウシといえば、まず最初にアオウミウシの名前が出てきます。 では、2番目は? ダイバーの方たちに聞くと、「シロウミウシかなあ」という返事が返ってきます。 シロウミウシは、イロウミウシ科ミスジアオイロウミウシ属に属します。アオウミウシ属のアオウミウシとは違う属に属しています(なんだか舌を噛みそうな文章ですね)。アオウミウシと同様に、主として浅瀬から水深10m付近に生息しています。 少し地味な色合いからか、アオウミウシの影になってしまっていますが、白地に黒の斑点。これは・・・まるで・・・「海のダルメシアン!」 と、思っているのは、私だけでしょうか? この黒の斑点は、数や形にかなりの個体差があるので、 「この子、可愛いっ!」 「う~ん、この子の斑点微妙・・・ブサ可愛い感じかしら。」 「この子の斑点は、私好みじゃないかも。」 などと、自分好みの個体を探し求めて一匹一匹じっくり観察して楽しんでいます。

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  • 【広島湾の水中散歩】10.アカヒトデのお話

    こんにちは!うみうし大好きダイバーのみゆきママです。 本日の主役のアカヒトデ、生物学的にはヒトデ綱アカヒトデ目ホウキボシ科に属する生物です。主食は貝類ですが、捕食しているところを見かけたことはありません。基本的に岩場に張りついて、じっとしています。 広島湾を潜っていると出会わない日はないと言うくらい、アカヒトデはポピュラーな生物です。写真映えしない容姿からか、スルーするダイバーがほとんどですが、じっくり観察してみると、これがなかなか可愛らしい生き物なんです。 《観察してて面白いところ》 ①人間味のある格好をしている。 星のてっぺんを頭、左右上側を両手、左右下側を両足、と勝手にイメージしながら観察していると、 「あ、この子は今、物思いにふけっているな」 「この子は、今、ラジオ体操やってるところに違いない・・・」 これは・・・もう、ピクトグラム? 妄想(もうそう)が膨(ふく)らみ、見飽きることがありません。 ②たまに四つ星・六つ星の個体がいる。 時折、五つ星でない個体を見かけることがあります。アカヒトデは再生力が非常に強く、腕が1本や2本取れてしまっても簡単に再生することができるので、六つ星アカヒトデは、再生の仕方を間違えて?1本増えちゃったのでしょうか。 四つ星アカヒトデは、逆にうまく再生できなかったのかな? このような場合、移動や捕食に影響がないのかも、気になるところです。 ヒトデなどの磯の生き物は、水族館のふれあいプールなどで観察したり触ったりすることができますが、機会があれば、実際の海中での様子も是非見てほしいところです。

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  • 【広島湾の水中散歩】9.スミゾメミノウミウシのお話

    こんにちは!うみうし大好きダイバーのみゆきママです。 ウミウシは、 「これしか食べないことにしております」 「住むなら絶対ここでございます」 と、こだわりの強い者たちが多く存在します。たとえば、赤いコケムシしか食べないミズタマウミウシ、ウミイチゴが群生するところしか住まないシロホクヨウウミウシ、などなど。。。 逆をたどれば、赤いコケムシが一面に生えている岩場を探せばミズタマウミウシ、ウミイチゴの群生を探せばシロホクヨウウミウシ、のように、ウミウシの特性を知っておくことがウミウシを探す鍵になります。 同様にして、広島湾のダイバーたちが「ウチワ」と呼んでいるソフトコーラルを探すと、濃い赤紫の地色に先端が白色のミノを纏(まと)ったスミゾメミノウミウシがいることがあります。 今年も早春から、水深15mのところにあるウチワを住処としたスミゾメミノウミウシが、ウチワの枝にせっせと卵を産みつけている姿を観察することができました。淡いピンク色の卵をクルクルクルっと、器用に枝に巻き付けていきます。 卵を産みつけている様子をじっくり観察するのも楽しいですが、ミノ(柔らかい棘のようなヒダで覆われている)系のウミウシの魅力は、なんといっても流れに翻弄(ほんろう)されるように揺れるミノです。その様子を動画を撮ってお見せしたいと考えていたところ・・・。 八月に入った途端・・・一斉にいなくなりました。卵も孵(かえ)ったようで、痕跡一つ残っていません。 孵った卵が成長して、再びウチワに戻ってくる日まで、しばしのお別れです。

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  • 【広島湾の水中散歩】8.スズメダイのお話

    こんにちは!うみうし大好きダイバーのみゆきママです。 暑い日が続きます。広島湾の海水温は、水面27℃~水底20m付近で23℃、シュノーケリングやダイビングにうってつけの季節です。 温かい水中では、いろんな魚たちが賑(にぎ)やかに泳ぎ回っています。その中の1つ、スズメダイはいっせいに群れをなして移動しており、水面近くでも観察することができます。 そしてこの時期は、単独で岩の上にじっとしているスズメダイもみかけます。このスズメダイはオスで、卵を守っているのです。 マクロ派ダイバーたちが、小さすぎてなかなかピントが合わないスズメダイの卵を何とか撮影しようとギリギリまで近くと、卵を守っていたオスはいったんサッと逃げていきます。しかし、再び舞い戻ってきて、卵の上でホバリングしたり、果敢(かかん)にもダイバーをツンツンとつついて威嚇(いかく)したりと、卵を守るために彼らも必死です。 ※マクロ派ダイバー…水中の小さな生物に魅力を感じているダイバーのこと 「ごめんね、卵を捕るつもりはないのよ。ちょっとだけ写真撮らせてね。」 と、心の中で話しかけ、 「写真を撮らせてくれありがと~。」 撮影後は、心の中でお礼を言って、そっと離れます。

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  • 【広島湾の水中散歩】7.アオウミウシのお話

    こんにちは!うみうし大好きダイバーのみゆきママです。 ウミウシという言葉を聞いて、真っ先に思い浮かべるのは、アオウミウシではないでしょうか。 ウミウシに興味を持つきっかけがアオウミウシだったという話もよく聞きます。広島湾を始め、日本の海では一番ポピュラーで、季節を問わず一年中観測されるウミウシです。 青色の体に鮮やかなオレンジ色の角(つの)と二次鰓(にじえら)、写真を撮るのに手頃な大きさ・・・などなど、ウミウシの魅力が凝縮されています。 広島湾では、あまりにもよく見かけるため、 「今日はアオウミウシしかおらんかった」 「ありゃー、そりゃ残念じゃったね~」 ダイビング後の船の上で、こんな会話が聞かれることも。 ところが・・・実は、このアオウミウシ、日本温帯海域の固有種、すなわち、本州でしか観察できないという、意外にも?レアなウミウシなんです。「日本のウミウシ」の著者である中野理枝氏によると、沖縄では観測例がないそうです。 また、同じアオウミウシ属の中には、伊豆半島だけで観測される種もあり、もしかしたら広島湾だけで観測される新種が隠れているかも?? 夢と妄想が広がります。。。 広島湾でダイビングする機会があれば、アオウミウシを探してみてくださいね!

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  • 【広島湾の水中散歩】6.カワハギのお話

    こんにちは!うみうし大好きダイバーのみゆきママです。 今日は、カワハギのお話です。 広島では「ハゲ」とも呼ばれているカワハギ、お煮付けにすると最高に美味しい魚で、海のフォアグラとも呼ばれる肝も有名です。 広島湾では季節を問わず、カワハギを一年中観察することができます。水中では、背びれ・尾びれを優雅にひらめかせながら泳いでいて、ダイバーが近づくと、おっとりと離れていきます。基本的には群れをつくらず、単独で泳いでいます。 5月~6月はカワハギの恋の季節。この時期は、オスとメスがお互いを追いかけて、グルグルと円を描いている姿が見受けられます。オスは背びれの2番目のところが糸状に細く伸びているので、オスとメスを簡単に見分けることができます。 ときどき砂地で、体を斜めにしてヨタヨタと泳いでいたり(半分眠っている)、バッタリと倒れている(完全に眠っている)カワハギに出会うことがあります。そんなときは、簡単に手で掴(つか)むこともできます。ダイバーは許可なく海の生物を捕獲してはいけないので、ひとしきり観察したあとは、「美味しく育つんだよ~」と思いながらお別れします。 ダイビングインストラクターの方曰く、 「カワハギは食っとるか寝とるかじゃ。」 水中を極めている人の言葉に、「う~ん、確かに。。。」と納得です。

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  • 【広島湾の水中散歩】オコゼのお話

    こんにちは!うみうし大好きダイバーのみゆきママです。 今日はオコゼ(オニオコゼ)のお話です。 広島湾を潜っていると、岩陰や泥の中で、じっと身をひそめているオニオコゼをときどき見かけます。背びれに毒棘がついているため、近づいてはいけない要注意の魚です。 ところが、先日、小黒神島でダイビング中のことです。 ウミウシの撮影に夢中になって、きちんと確認せずに岩場に手をついたら刺すような痛みが! ・・・手の下で、周りの岩と同化しているオニオコゼがギロリっとにらんでいました。 「やってもーたっ!」と思ってもあとの祭り。左手の人差し指を刺されてしまいました。 《オコゼに刺されたときの対処①》 刺された所から、毒を含んだ血をできるだけ絞り出す。 《オコゼに刺されたときの対処②》 熱に不安定な毒なので、お湯(50~60℃くらい)に浸ける。 最初はズキズキした痛みでしたが、しびれるような痛みに変わり、左手全体がぷっくりと腫れてしまいました。「痛い痛い」と言いながらも、昼食をしっかり食べ、もう一本ダイビングしました。そして、夕方に、病院に行って薬を処方してもらったおかげで、数日で腫れも痛みもほぼ引きました。 ところで、オコゼに刺されたときの痛みは「おとなが泣きながら医者に駆け込むほどの痛み」なんだそうです。ダイビングインストラクターの方の話でも、男性は、蒼白になって気が動転する人が多いそうです。一方、女性は冷静に行動する人が多いそうです。 この男女差、なかなか興味深いですね。 皆さんも、オコゼにはくれぐれも注意して下さいね!!

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