広島湾☆うみうしくらぶからの活動報告一覧

検索したい語句で広島湾☆うみうしくらぶからの活動報告一覧を検索できます。

  • 【広島湾の水中散歩】2.カエルアンコウのお話

    こんにちは!うみうし大好きダイバーのみゆきママです。 今日は、広島湾を潜るダイバーたちに大人気の魚・カエルアンコウのお話です。岩場や砂底で、海草の陰に身を潜めてじっとしているカエルアンコウの姿を発見したら…、ダイバーたちは大興奮っ!!です! カエルアンコウは、アンコウ目カエルアンコウ科に属する魚で、泳ぐことがほとんどできません。前足のような胸びれと腹びれで岩の上に踏ん張っています。餌も、自分から捕りに行きません。じっとしたまま、頭にある疑餌(ぎじ)のついた突起をヒラヒラさせ、本物の餌と勘違いして寄ってきた小魚や甲殻類をパクリといただきます。 愛嬌のある姿や疑餌をヒラヒラさせる様子が、なんとも可愛くて見飽きることがありません。広島湾でよく見られるのは、オレンジの体色の通称「オレ子ちゃん」。オレンジ色の子という意味です。他にも黄色や乳白色の個体、虎模様の個体を見ることができます。 6~7月に、カエルアンコウは産卵の時期を迎えます。パンパンにお腹が膨らんだメスを、今年も観察することができるでしょうか? 楽しみです。

    [続きを読む]

  • 【広島湾の水中散歩】3.ウミウシの魅力

    こんにちは!うみうし大好きダイバーのみゆきママです。 今日は、多くのマクロ派ダイバーが夢中になっているウミウシのお話です。 ※マクロ派…水中の小さな生物に魅力を感じているダイバーのこと 《そもそも、ウミウシって何なの?》 ウミウシを一言で表現すると「貝殻(かいがら)をもたない巻き貝の仲間」。陸上で例えるなら、「貝殻をもたないカタツムリ」とでもいいましょうか。雌雄同体であるところも似ています。数mm~数cmの大きさですが、50cmほどの大きなウミウシもいます。 《広島湾には何種類いるの?》 広島湾は内海という環境のため、ウミウシの分布に関して太平洋沿岸とは違った特徴がみられます。60~70種類のウミウシを観察することができますが、この数はあくまで私個人の観測数なので、実際にはもっと多くの種類が生息しています。 また、ダイビングインストラクターの方の話では、少しずつ海水温が上がってきている影響か、これまで観測されなかった南方系のウミウシが近年観測されるようになっているそうです。 《ウミウシ観察で面白いところは?》 たとえば、冒頭の写真のアオウミウシ、色鮮やかな青が水中で目を引きます。他にも赤や黄色や緑など、ウミウシは色彩がとても豊かです。 また、一年中観察できるウミウシや、季節限定で出現するレアなウミウシ、特定の生物のみを補食するウミウシ、ウミウシを食べるウミウシ…などなど、さまざまな生態を持っており、興味が尽きません。 多くの人にウミウシを実際に見てほしいのですが、ウミウシは飼育がとても困難で、水族館でも展示が難しいそうです。機会があれば、ぜひ広島湾で一緒にダイビングしてウミウシを観察しましょう!

    [続きを読む]

  • 【広島湾の水中散歩】5.ミズタマウミウシのお話

    こんにちは!うみうし大好きダイバーのみゆきママです。 広島湾のマクロ派ダイバーたちに 「春限定の海のアイドルといえば?」と聞くと、 「ミズタマウミウシ」の名前が必ず出てきます。 ※マクロ派ダイバー…水中の小さな生物に魅力を感じているダイバーのこと 3月下旬から4月に入ると、マクロ派ダイバーたちはオレンジ色のコケムシ(岩に生息する固着生物)がいる岩に張り付いて、コケムシを餌にしているミズタマウミウシを必死で探します。 ミズタマウミウシは、ピカチュウにそっくりなウデフリツノザヤウミウシと同じくフジタウミウシ科・ミズタマウミウシ属に属しています。大きさは1cm前後、大きいものでも2cmくらいです。 透き通った体に黄色と黒の水玉が散っている様子はまさに海の宝石。春の広島湾は水温が12℃~15℃と極寒ですが、岩にちょこんとくっついているミズタマウミウシを見つけると、その愛らしさに寒さを忘れて見入ってしまいます。 ところが・・・ 今年はミズタマウミウシを一匹も見つけることができませんでした。前回お話ししたアカボシウミウシのせいなのか、コケムシの繁殖範囲が例年に比べて小さかったからなのか、探す努力が足りなかったのか・・・。原因はよく分かっていません。 来年の春には出会えることを期待して、今年の「ミズタマに出会えなかったシーズン」は幕を閉じたのでした。

    [続きを読む]

  • 【広島湾の水中散歩】4.アカボシウミウシのお話

    こんにちは!うみうし大好きダイバーのみゆきママです。 広島湾では、晩秋から春の終わりまでが多種多様のウミウシが観察できる時期になります。初夏から秋にかけては、海水浴やシュノーケリングなどの海遊びには最適な季節ですが、ウミウシの数が減るためウミウシウォチャーには少し寂しい季節になります。 しかし、今年の早春の広島湾…多彩なウミウシが観測されるはずの時期…のはずが、予想に反してウミウシの種類が少なく、特に季節限定で出現する貴重なウミウシにほとんど出会えませんでした。 考えられる原因の1つが、「アカボシウミウシの大量発生」です。 アカボシウミウシは、キヌハダウミウシ属のウミウシで、儚(はかな)く可憐(かれん)な姿とは裏腹に、「ウミウシを食べるウミウシ」なんです。今年は、丸々と太ったアカボシウミウシにたくさん出会います。この子たちの貪欲な食欲に、他のウミウシたち犠牲になったのでしょうか…? 他に、海水温の上昇によりウミウシの餌となるコケムシやカイメンの分布が変わってきているのではないか、という意見もあります。これは、地球温暖化が関わっている深刻な問題でもあり、長期的に調査を続けていきたいと考えています。

    [続きを読む]