2016年度 第5回年輪の会研修会の報告

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2016年度 第5回年輪の会研修会の報告

2017年2月5日(日)荏原保健センターにて、精神科医の花田照久先生をお迎えして、
本年度最後の研修会が行われました。参加者15名。
 花田先生は、品川区地域生活支援センター「たいむ」の顧問医で、一昨年「たいむ」の10周年記念で講演されましたが、今回は治療現場における当事者と支援者とのズレについて提示され、支援者の枠にハメない支援や、目的などを持たずに一緒に考えていくというお話を伺うことが出来ました。
 また、書面による質疑応答が行われ、一つひとつ丁寧に答えて頂ける姿が、
印象に残る会になりました。

お客様は当事者、家族、作業所スタッフなど。
先生「分かってる人が多いなら、
過激な話をしましょうか」。
「是非お願いします!」。

治療者が方法を提示する医療モデルのリハビリは、当事者を枠に
はめる事になる。
アウトリーチも、地域への医療の押し付けになりかねない。
 当事者と支援者は共にやっていく。本人の自己像を実現出来る様に、一緒に具体的に考える。

当事者は自分の弱点を知り、コントロール出来る事で、自分の人生を自分で送る様になる。
困った時に利用出来るものは何か(弱点のカバー)、リハビリの目的は人に相談出来る力、ものに頼める力を付けること。

質問用紙に書き込む皆さん。
 「精神障害者の成功とは?」
 どう生きても良い。
生き甲斐や目的など、持てないのが普通。何故言われなければいけないのか。
原因追及や理想より、今に集中。今あるがままに生きる(マインドフルネス)。

認知行動療法の可能性-日常生活に使っているものをシステム化しただけで、特別なものではない。
作業療法-生活の知恵。
運動療法-身体のバランスを養う。薬物より効果あり。
どの療法も限界がある。

ハウジングファースト-管理されない生活。一気にアパート暮らしをし、出来ない事を支援してもらう(一人で無く皆で行うことが前提である)。
 失敗する権利。恐れながらもやってみる(手順良く出来なくてもよい)。失敗をしないと成功しない。自尊心は身に付かない。
 現在の制度は失敗をさせないことを前提としているが、現場は進んでいる。支援者が失敗を恐れるのは疑問である。