クラスに3人?小中学生の発達障害【統計から考える品川の社会課題】
発達障害の可能性がある児童生徒は、1クラスにつき3人いるといいます。
発達障害は、脳機能の発達に関係する障害です。コミュニケーションが苦手、読み書きや計算が苦手、集中できずじっとしていられないなどの症状がありますが、障害の程度や年齢(発達段階)、生活環境などによっても症状は違ってきます。(※政府広報オンライン「発達障害って、なんだろう?」https://www.gov-online.go.jp/featured/201104/index.html)
文部科学省の調査によると、全国の公立小中学校の通常学級に発達障害の可能性がある児童生徒の割合は8.8%に上り、図1のとおり学年別に10年前の調査と比較しても上昇傾向にあります。
(※文部科学省の当該調査結果のページ https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2022/1421569_00005.htm)
また、発達障害の可能性のある児童生徒のうち、校内委員会において特別な教育的支援が必要と判断された児童生徒は28.7%です。
それらの児童生徒への支援の状況として、71.4%は通級による指導を受けておらず、47.3%は授業時間以外の個別の配慮・支援を行われていません(図2)。
これは全国的な調査ですが、品川区の小中学生に当てはめて考えると、児童生徒数22,556人(令和5年5月1日時点)のうち発達障害の可能性があるのは約1,985人(8.8%)、さらにその中の約570人(28.7%)が特別な教育的支援が必要とされていることになります。
品川区には、そんな多様な困難を抱える子どもたちと手を携え、寄り添う人たちがいます。
★一般社団法人でっこぼっこ
区では「品川区地域振興基金を活用した区民活動助成制度」の中で、区が設定したテーマに応じた事業に対象経費の全額を助成するトライ助成を実施しています。令和4年度のテーマは「学習障害(LD)傾向のある子どもを対象とした学習サポート事業」。
これに採択されたのが、一般社団法人でっこぼっこの「発達に特性傾向のある親子の健やかな学びと成長をめざした学習サポート事業」です。
「長く続くコロナ禍で集団の環境に慣れていない子どもたちは非常に多く、また、小学校に入学し初めて気づく場合もあります」と代表理事の駒崎圭子さんは言います。
でっこぼっこでは、授業に集中しづらい、文字の捉え方がうまくできないなど、集団での学習に困難を抱える子どもたちを対象に、「宿題」を入り口として一人ひとりの課題へアプローチし、その子らしく勉強が続けられる方法を見つける取り組みを進めています。
さらに、保護者の方々に向けては悩みの相談を受けたり、家庭でできる学習環境づくりや意識改善の方法なども提案。また、支援者の育成プログラムにも力を注ぎ、支援者を増やすことで子どもたちを受け入れる環境の整備も行っています。
(※でっこぼっこホームページはこちら https://dekkobokko.org/)
★ご相談は品川区地域活動課へ
でっこぼっこの他にも、発達に特性を持つ子どもを支援する団体を立ち上げたい、参加したいといった相談が増えています。
地域活動課協働推進係では、地域活動を行う方々を支援する相談会を行っています。相談会には、NPO法人などの非営利組織の中間支援を行うNPOサポートセンターが同席し、適切な団体をコーディネートしたり、団体の組織基盤づくりをサポートします。
自分にもできることがあるかもしれないと思う方は、まずは相談してみてください。
品川区地域活動課協働推進係
電話番号
03-5742-6605
E-mail
chikikat-kyodo@city.shinagawa.tokyo.jp