左巻健男の科学実験教室2025
2025年11月9日(日)、株式会社ナリカ様の実験室をお借りして「左巻健男の科学実験教室」を開催しました。左巻健男先生は、中学・高校の理科教諭をされた後、いくつかの大学でも教鞭を取られたという経歴の方です。科学コミュニケーションを専門とし、長らく理科教育に携わってこられました。 今回のイベントは小・中学生を対象とし、物の浮く・沈むを通して、「比重」を学んでいくというものです。 固体、液体、気体を様々に組み合わせた実験を通じて、目で確かめていきました。 最初に左巻先生が前のテーブルに置いたのは、段ボールで手作りをした階段。1つ1つの段に小さなろうそくが置かれ、火が付いています。 ドライアイスで二酸化炭素を充満させた水槽を階段の上から傾けたら、上のろうそくから順番に火が消えていきました。空気より重い二酸化炭素が沈んでいくからです。 この独創的な仕掛けに、子どもたちも釘付けになっていました。 続いて、水が入ったビーカーに油を注ぐと、最初は勢いで沈んだ油が上方に浮いていく現象も実演していただきました。 次にいよいよ、子どもたち自らが実験します。 テーブルにあるのは卵、水の入ったビーカー、薬包紙に載せた塩が二山。 水の入ったビーカーに卵を入れると、底に沈みます。そのビーカーに食塩を追加して混ぜていきます。一山入れると卵が微妙に浮き、二山めを入れると完全に上方へと浮いていきました。 第1部の最後では、左巻先生から、水に入れると浮く木材(ヒノキ)と沈む木材(黒檀)の実演をしていただきました。 休憩をはさんだ第2部では、気体を使った浮く・沈むの実験です。 まず、子どもたちに、二酸化炭素と水素のボンベでシャボン玉遊びをしてもらいました。二酸化炭素のシャボン玉は、上に向けて発しても下へと沈んでいく。水素のシャボン玉は、上へ浮いていく。 比重の重さを比べると、二酸化炭素>空気>水素ということになります。 おまけとして、上へ浮いた水素のシャボン玉に火を近づけると、一瞬だけ燃えるという実験も左巻先生が行いました(危ないので、子どもたちは見るだけです)。 さらに、ドライアイスで二酸化炭素を充満させた水槽が、ここで再登場です。 子どもたちに、水槽の中へシャボン玉を吹いてもらいました。二酸化炭素より人の吐く息の方が比重が軽いので、シャボン玉はなかなか下の方へ行きません。 最後に、ポリ袋内の空気をガスコンロで温めたら、熱気球と同様に浮くという実験を行いました。空気は冷やせば比重が重く、温めると軽くなります。日常生活では実感しづらいことを、実験を通して体験しました。 たった2時間のイベントでしたが、「比重」という1つのテーマでたくさんの実験を行いました。大変、密度の濃い時間になったと思います。