2025年9月27日(土)に、エコルとごしでイベント「おいしい給食」を行いました。
「給食」を切り口に農業・食・環境について考える、親子向けのイベントです(大人だけの参加者もおられました)。
●第1部:クイズ大会
講師としてお迎えしたのは、農業ジャーナリストの熊宮渉さん、小松菜農家の小原英行さん、食の安全を専門とする研究者の畝山智香子さんです。
スタッフが扮装した「赤ずきんちゃん」と「熊の熊宮さん」による司会で進行しました。
赤ずきんちゃんは、農薬や食品添加物について誤解しています。
その独り言を聞きつけた熊の熊宮さんが、農業・食・環境について考えるイベントに赤ずきんちゃんを連れていく。そんなストーリー仕立てのクイズです。
農産物の生産、流通、加工、調理、消費の各段階について、クイズを出題し、それぞれ専門家に解説いただきました。
科学的根拠に基づいて考えると、例えば、
「農薬は少なければ少ないほど体にやさしい」「近くで作られた農産物を食べた方が、使われるエネルギーが少ないに決まっている」
と言えるような単純なものではありません。複雑で多角的な視点から見ていく必要があるということが、少しでも伝わればいいなと思っています。
●第2部:演劇ワークショップ
休憩をはさんだ第2部では、「体験型演劇ワークショップ」という企画を行いました。
神田外語大学の飯島明子教授による脚本を元に、参加者にグルコースやそれを構成する元素や分子を演じることで、炭素の循環について提示していくという斬新な企画です。
第一幕ではグルコース役になった参加者が手をつなぎ、デンプンを表現するところから始まります。デンプンは、スタッフが演じる消化酵素と出会うことで、分解され、最終的にグルコースとして小腸から吸収されていきます。
第二幕では、一人一人が元素の役になってグルコースの分子構造を形成し、さらには酸素役と出会うことで二酸化炭素と水ができました(二酸化炭素は呼吸で人体から吐き出され、体内ではエネルギーが生まれます)。
第三幕では、二酸化炭素が植物の中の有機物と出会い、またグルコースになっていきました。炭素は長い長い時間の中で、二酸化炭素になったり、有機物になったりして循環していくことが、二酸化炭素のセリフで語られていきます。
演劇という手法で参加者に一連の過程を体感してもらう、他にはないようなワークショップとなりました。
『おいしい給食』


第1部・クイズ大会。専門家の方々に答えを解説いただきました。

第2部・演劇ワークショップ。参加者にグルコースや炭素、酸素などの役になっていただきました!