【広島湾の水中散歩】9.スミゾメミノウミウシのお話
こんにちは!うみうし大好きダイバーのみゆきママです。
ウミウシは、
「これしか食べないことにしております」
「住むなら絶対ここでございます」
と、こだわりの強い者たちが多く存在します。たとえば、赤いコケムシしか食べないミズタマウミウシ、ウミイチゴが群生するところしか住まないシロホクヨウウミウシ、などなど。。。
逆をたどれば、赤いコケムシが一面に生えている岩場を探せばミズタマウミウシ、ウミイチゴの群生を探せばシロホクヨウウミウシ、のように、ウミウシの特性を知っておくことがウミウシを探す鍵になります。
同様にして、広島湾のダイバーたちが「ウチワ」と呼んでいるソフトコーラルを探すと、濃い赤紫の地色に先端が白色のミノを纏(まと)ったスミゾメミノウミウシがいることがあります。
今年も早春から、水深15mのところにあるウチワを住処としたスミゾメミノウミウシが、ウチワの枝にせっせと卵を産みつけている姿を観察することができました。淡いピンク色の卵をクルクルクルっと、器用に枝に巻き付けていきます。
卵を産みつけている様子をじっくり観察するのも楽しいですが、ミノ(柔らかい棘のようなヒダで覆われている)系のウミウシの魅力は、なんといっても流れに翻弄(ほんろう)されるように揺れるミノです。その様子を動画を撮ってお見せしたいと考えていたところ・・・。
八月に入った途端・・・一斉にいなくなりました。卵も孵(かえ)ったようで、痕跡一つ残っていません。
孵った卵が成長して、再びウチワに戻ってくる日まで、しばしのお別れです。
画面左、らせん状に卵が産みつけられています。写真ではオレンジ色っぽく見えますが、実際にはもっとピンク寄りの色です。