“社会的健康寿命“指標化への提言
“社会的健康寿命“指標化への提言
いわゆる平均寿命とはオギャーと生れた赤ちゃんが 平均的に何年生きるかの年数です。平成27年の実績では日本人は男性80.79歳、女性87.05歳となっています。世界のトップクラスです。
しかしながら最近は単なる”平均寿命”という考え方ではなく、介護が必要でなく自立して生活できる寿命即ち”健康寿命”という考え方が主流になって、国や自治体の健康管理指標になってきました。
一方“少子高齢化”という現代社会をとらえた言葉が喧伝されて久しくなりますが、どうもこの言葉には縮小社会への警鐘とともに、“老害”“高齢イコールお荷物”“高齢者は今の若者に比べ恵まれ過ぎ。”という社会の潜在意識が見え隠れしているように見受けられます。
実に嫌な表現です。
高齢者は本当にお荷物なのでしょうか?
そのように意識している高齢者にもその一因があると思います。もっと発信し、行動すべきです。そこで、提言です。
健康寿命”という考え方をさらに一歩進めた”社会的健康寿命(社健寿命と略)“による指標管理を提言します。
つまり、高齢者は今の年金や健康保険などで他人に迷惑を掛けず、介護の必要もなく夫婦二人 または独り身でも何とか幸せに暮らしていれば、これだけで本当に良いのかということです。
筆者は “社会への貢献量-社会からの還元量(被貢献量)”がマイナスに変化した歳を社健寿命と考え、これの最長化への努力が前述のお荷物理論を論破する効果的な策になるのではないかと提言するものです.
そのためには、単に経済的に自立し、健康的に暮らすだけではなく、何らかの形で社会、特に地域社会に溶け込み昔取った杵柄や知識をフルに活用し、能動的に生活する気持ちと行動が必要なのではないかと考えるものです。地域活動への参画、グループ活動、同好の士との交友など何でもよいのです。そして仮に体力の衰えを感じても気持ちを強くし自信を持って生きる、これがさらに社健寿命を延ばし、簡単なことではありませんが そんな高齢者の周りには年齢を超えた人の輪ができるのではと。
一度自分なりに今自分がどのあたりにいるのか試算してみては如何でしょうか? そしてマイナス領域に近い方は是非プラス領域への転換を、そして社健寿命が限りなく平均寿命に近づいていくことを期待するものです。