市民後見人の活動領域雑感<府中刑務所を訪問して>
市民後見人の活動領域雑感<府中刑務所を訪問して>
先日機会があり、東京府中刑務所を訪問見学しました。
最寄りのJR武蔵野線北府中駅から正門まで徒歩約10数分。正門前で自分(当NPO法人会員)を含め、関係者全員の集合を確認の上、打ち揃っての入場です。
先ずは本館会議室で担当官から施設の沿革と概要、入所から出所までの流れや矯正処遇、日々の生活、社会との連携などの説明がありました。
その後、厳重な扉を通りいよいよ刑務所の中へ。
そこは凛と張りつめた空気に包まれており、受刑者、刑務官のきびきびした動作や発声、将に想像していた以上の所でした。
独房・雑居房~浴室~作業所~運動場~講堂~食堂などを見学者も隊列を組んでの見学です。
一通りの説明と見学。そして自分なりに考えたこと、思ったこと、色々あり過ぎたというのが実感です。中でも印象に残ったのが、
①日本人受刑者の高齢化
②外国人が目立ったこと
③場内の規律と清潔感 です。
特に①につては、ここ府中刑務所が犯罪傾向の進んだ日本人男子の受刑者が受け入れ対象になっていることを考えれば、当然のことかもしれません。現在、約2,600人収容されているとのこと。この犯罪傾向が進んだとは累犯者が多いこと、且つ年齢が高いことを意味していると言えましょう。
高齢受刑者の多くは刑期を全うして出所。身元引受人も定かでない方もいて、高年齢で働き口が乏しく、所内の作業で得たわずかばかりの手持ちのお金で 一体どれだけの人が自立して生活をすることが出来ているのか不安に思いました。それが結果的に累犯に繋がっているのでは と考えられます。更に高齢受刑者に認知症が発症した場合を考慮すると、社会福祉部門との連携や制度・仕組みの整備など支援の枠づくりが喫緊の課題ではないかと、そして市民後見人のこの部門での活躍の場が今後極めて多くなるのではと改めて感じた訪問でした。 (NI生記)